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MESSAGE

一人ひとりの
大切な主観的価値を、
最大限に活かせる
会社でありたい

代表取締役社長
上野 象平

上野硝子工業のビジョン

- 個人と企業と社会の円環を作る-

当社は1883年(明治16年)に創業し、令和5年に創業140年を迎えました。明治初期、日本近代化の始まりの時代から大正、昭和、平成を経て、私たちは首都圏の大きな街の発展を支えて参りました。令和に入り、現在の私たちはこれまで経験してこなかった様々な課題を前に、大きな時代の転換点に立っています。会社が目指す方向性は時代と共に変化していきますが、現在は「全ての人が豊かに暮らし続けられる社会」、つまり持続可能な社会の創出を根幹に据え、企業活動を行なっています。

持続可能な社会を作るために私たちが大切にしていることは、「個人と企業と社会の価値の円環をつくる」ということです。以前よりライフワークバランスという言葉が声高に叫ばれていますが、この言葉はそもそも仕事(会社)と個人が対立事項として捉えられています。しかし今は個人の豊かな暮らしの実現を“企業と個人”という2つの事項だけで捉えられる時代ではなくなりました。人口減少や少子高齢化、気候変動など自然環境の悪化、貧困問題、孤独、ジェンダーなど社会問題は複雑化しており、もはや企業も個人も社会も単体で課題を解決し、成長することが難しくなっています。私たちは、まず個人の主観的価値を尊重し、それを基軸にすることで、個人と企業、企業と社会、そして個人と社会が価値交換によってつながる「円環」をつくることを目指しています。

会社の役割

- 多様な主観的価値を活かせる場 -

採用ページをご覧いただいている方には驚かれるかもしれませんが、私たちには求める人物像がありません。というのも、個人と企業と社会を円環させていくためにはまず、「個人の主観的価値を大切にする」ことが私たちのスタートであり、「何が好きか」「何がしたいか」「何が嫌いか」「何がしたくないか」という一人ひとりの価値観や思いを尊重したいと考えているからです。個人の主観的価値を社会的な価値に変えていくために多様性を受け入れ、どんな人も活躍できる場を用意することが、会社の役目。実際に、当社ではさまざまなバックグラウンドを持つ社員が活躍しています。例えば、元アパレル販売員、コンビニエンスストアの店員、人材業界の営業、介護士、銀行員など。異業界でも経験がなくても、今では会社の中核を担っているメンバーばかりです。

しかし現時点で、私たちが掲げるビジョンにピンときていなくても、明確な目標がなくても構いません。自分のやりたいこと、好きなこと、といった主観的価値というものは、なかなか気づきにくいものだと思うからです。人によってはパッと見つかる人もいるかもしれませんが、5年後10年後に見えてくる人もいるでしょう。それは入社して、仕事をしてみてから焦らずじっくり見つけてほしいと思っています。上野硝子工業は、「自分は実はこんなものが好きだったんだ」「こんなことがしたかったんだ」と気づいたそのときに、「この環境を利用すれば実現できる」と思ってもらえる会社でありたいと思っています。私は即戦力という言葉はあまり好きではありません。入社すぐに活躍してくれる人がいれば、会社としては助かるのかもしれませんが、それは現時点において助かっているだけで、将来的にその活躍が継続されるかというと誰にも分からないからです。すぐに活躍できるか否かという、短いスパンの時間軸で採用活動をするつもりは当社にはありません。

社長の仕事観

-会社員という働き方に捉われない-

私は若いときに、音楽やアート関係の世界で生きていきたいと思っていました。でも私の時代はまだ就職すると、好きなことを諦めて仕事に就くという考え方が一般的でした。しかし、その考え方がどうにも嫌でした。好きな道と、生きていくための道が2分割されて分断されていることに違和感を持っていました。今の時代、複数のことに挑戦してもいいし、自分のやりたいことを発信することもできる。だからこそ、二足三足のわらじを履くこともできるということを、この仕事を通じて証明していきたいと思っています。これはある意味挑戦であるかもしれません。

しかしこれからの時代は様々な感性を磨いていくことが仕事に刺激を与え、アイデアを生み出す原動力になると考えています。会社の専門分野だけではなく様々な視点、思考、視野を拡げていくことが人生を豊かにし、同時に目の前の仕事に価値を生み出し、それが社会の為になる。その為の応援はこれからもしていきたいと思っていますし、私自身も仕事をする上で、いつもクリエイティブでいることを心掛けています。

会社の強み

- 社員間の絆を強固にする仕組み -

私が思う当社組織の強みは2つあります。一つ目が、縦と横のつながりを生むコミュニケーションです。当社には、縦割りではない横軸を通す仕組みがあり、「こんなことをしたい」「こんな改善をしたい」「こんなことを勉強したい」というときに、部署を超えたプロジェクトやチーム作って動くことができる制度があります。縦割りの組織だと、なかなか他部署のメンバーと話せないもの。しかし建築の仕事は一人で完結できる仕事はなく、営業や施工管理、バックサポートなど、部署間の連携がなければ仕事をすることができません。そのコミュニケーションをスムーズにするため、そして全社員で会社を良くしていくために、世代や経歴を超えた縦と横のマトリックスを生む仕組みを取り入れています。現在、十数件もの社内プロジェクトが進行中です。

もう一つが、年齢や社歴に関わらず発信できる仕組みです。グループウェアを通じて、どんなに些細な意見や情報でも発信することができるようになっています。また年に一度プレゼンテーション大会を開催しており、大きなテーマに向かってチームで業務改善や事業拡大のためのアイデアを発表しています。

将来の展望

- 変化を恐れずチャレンジ -

上野硝子工業は歴史のある会社ですが、変化をいとわない会社です。なぜチャレンジするのかというと、それだけ時代の変化は早く、これまでの考え方やスキームでは解決できない課題が増えていくからです。これから日本の人口はみるみる減少し、少子高齢が加速していきます。この業界を支える労働人口も減り、将来、「家を建てたくても建てる人がいない」という時代が来るとも言われています。それだけ人口減少は深刻な問題であり、自社だけでなく業界を支えていくためにも、人と人のネットワークをより深め、それを広げ繋がっていくことが非常に重要です。

つまり、お客様をはじめ、仕入先様、パートナーなど“企業の壁を越えたシェア”という考えを深めていかないと、業界全体を支えられなくなる。それは建築空間で生きる人々の生活に寄り添えなくなることを意味します。

こういった課題を踏まえ、私たちは多くの新しいチャレンジをしています。例えば働く人の負担を減らすためのシステム化、DXです。現在、データを一元管理、共有化ができる自社のオリジナルのシステムを開発しています。将来的にはそのシステムを基点として、お客様や業界全体の業務負担を減らし、更に人と人のネットワークをより生かし、共に成長していく為のシステムへと育てていきたいと考えています。
また、様々な開口部の付加価値を創出する新しい事業にもチャレンジしています。私たちが扱う開口部の可能性、これからのニーズを見出し、それを形にしていくこと。こういった自社発のクリエイティブな事業展開は社員の様々なアイデアひとつで積極的に行なっていく予定です。同時に働く環境の整備、福利厚生の充実化もはかり、より働きやすい環境づくりにも力を入れていきたいと考えています。社員の方からの多くの要望を全てとはいえませんが、その多くを制度としてつくっていきたいと思います。

変わらないものを守る為に

時代の変化は年々早くなっているように感じます。時代の変化と共に常に変わり続けることが必要ですが、同時に変わらない価値を未来へ繋いでいくことも大切です。建設業は外からは見えづらいですが、もともと人が優しく、人と人のコミュニケーションが温かい魅力的な業界です。私はそれを変わらないものの価値として第一にお伝えしたいと思います。そうであるからこそ、建物をつくるというクラフトの世界をこれからもより多くの人々に喜んで頂ける魅力ある事業へ磨いていくには、わたしたちの仕事は本来、誰の、どんな価値に貢献する仕事なのか、その本質を再認識、または再定義し、柔らかい頭と手で未来の事業を自ら創っていくことが大切だと思います。

この先も、社会に対しても、個人に対しても価値のある企業であるために。私たちは140年という歴史を受け継ぎながら、“これからの未来”に目を向け、一歩一歩進んで参ります。